千葉の小4虐待死から4年、取り組み強化 関心高まり認知件数最高に

上保晃平 藤谷和広 斎藤茂洋
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 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(当時10)が虐待死した事件から24日で4年となった。事件を受けて虐待への関心が高まり、県警が認知する虐待事案の件数が増えている。2022年は前年比57件増の4462件(速報値)に上り、過去最高となった。

 2019年の心愛さんの虐待死事件後、県警は児童虐待に対応する人数を増やした。虐待が疑われる事案を警察署が把握すると、すべて県警本部少年課に速報する。少年課は内容に応じて危険性を判断し、担当者約15人が各署を支援する。

 児童虐待や虐待が疑われると判断したケースは児童相談所に通告し、深刻な場合は児相の立ち入り検査やより強制力のある臨検・捜索に同行する。県警と児相は昨年11月にも、君津市のモデルハウスで虐待の恐れがある家庭に介入する模擬演習をした。対応力の強化に向けて定期的に合同訓練をしている。

 県警によると、22年に児相に通告した延べ人数は、過去最高の5141人(速報値)。県警幹部は「家庭内の虐待は外から見えにくい。二度と悲惨な事件を起こさせないため、児相などと連携して社会全体で防ぎたい」と話す。

足りない児童福祉司(上保晃平)

 千葉県庁で24日午前8時半、児童家庭課の職員27人が黙禱(もくとう)した。篠塚かおる課長は「わずか10歳の女の子が発信したSOSを周囲の大人が受け止めきれず、尊い命を失うこととなった反省を決して忘れてはならない」と話した。

 事件を受け、県は児童相談所の機能を強化した。22年4月までの3年間で、児童福祉司や児童心理司などを214人増やし、20年には中央児相(千葉市)に人材育成研修課を新設した。26年度は松戸市印西市に児相を開設する。

 一方、児童福祉司は22年12月時点で県の基準より15人不足している。近隣の自治体も児相を強化中で、県は人材の確保をめざす。

 野田市によると、市が認定した児童虐待の被害者は19年1月時点で166人。22年12月は3倍近く増加し、440人だった。市は子ども家庭総合支援課員を増やし、事件を風化させないよう研修を重ね、家庭の相談や支援に取り組む。

 心愛さんが通っていた野田市立二ツ塚小学校(児童169人)は異動で事件当時にいた教員がいなくなった。村田弘信校長は23日夕、教職員に「子どもたちの心の変化に気づける感性を高めなくてはいけない。気づいたことがあれば全員で共有しよう」と呼びかけた。(藤谷和広 斎藤茂洋)

     ◇

 傷害致死罪などで懲役16年の判決が確定した父親の勇一郎受刑者(45)の母親が24日、支援者を通じてコメントを出した。「心愛ちゃんを忘れた日はありませんが、この時期が来ると、事件を知った日の衝撃や心愛ちゃんを失った寂しさに襲われ、苦しい日々を過ごしています。心愛ちゃんが安らかに眠ってくれることを心から祈り、手を合わせております」としている。

 支援者によると、勇一郎受刑者は心愛さんの命日に焼香を求めるなど、刑務所内でできる限り供養を試みているという。

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