「神の手」を目撃したサッカージャーナリストが語るVARへの懸念

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聞き手 編集委員・塩倉裕
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 三笘薫選手の折り返しはゴールラインを割っていなかった――。サッカーW杯カタール大会で、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)という判定システムに注目が集まりました。誤審を減らす切り札とされますが、世界のサッカーを長年取材してきた後藤健生さんは、懸念も感じていると言います。世紀の誤審とされたマラドーナの「神の手」を現地で目撃したサッカージャーナリストが語る、人間と技術のあるべき関係とは。

アルゼンチンの記者も「ハンドだ」と

 ――「三笘の1ミリ」と呼ばれた三笘選手の折り返し。どう見ましたか。

 「現地で記者席から見ていましたが、タイミングから考えてゴールラインは割っていないだろうなと感じていました。ただし勘でそう思っただけで、実際にはあれは、仮に近くで人間が見ていたとしても肉眼では判定ができないレベルの微妙さだったと思います」

 ――あのゴールをめぐってVARが世界的に大きな注目を集めたのは、なぜだったのでしょう。

 「理由の一つは、あのときの…

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