米国の科学者らは24日、地球滅亡まで残された時間を示す「終末時計」の時刻を公表した。今年はロシアによるウクライナ侵攻を受け、核戦争など破滅的な状況に陥る危険が高まっているとして、昨年より10秒進んで残り90秒となった。公表を始めた1947年以降、残り時間が最も短くなった状態だ。
終末時計は米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」(「原子力科学者会報」の意味)が発表。滅亡の時を深夜0時に見立てて、核戦争などの危機が高まると時計の針を進め、遠のくと戻す。
同誌の科学・安全保障委員会のスティーブ・フェター・メリーランド大学教授は時刻の公表にあたって会見で、「核兵器のリスクは、主にロシアによるウクライナ侵攻により明確に増加した」と指摘。「事故や間違い、誤算が意図しない激化につながりかねない。また、敗北の可能性に直面した場合、プーチン(大統領)が意図的に状況を激化させるかもしれない」と述べ、ロシアによる核兵器使用の可能性に懸念を示した。
核兵器をめぐってはほかにも、北朝鮮が昨年に過去最多の弾道ミサイルを発射したことや、イランがウランの濃縮を拡大していることなどもリスクとして挙げた。
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