不登校の生徒を「追い詰めないで」 内申書不問の高校入試の道を提言
高校入試で必要になる調査書(内申書)が不登校の子どもたちを追い詰めていないか。学習塾とフリースクールを営む夫妻はここ数年、そんな危機感を強めていた。
そこで昨年末、オンライン上で一つの「提言」を始めた。「実現すればうちの子を助けてくれるかもしれない」。提言に対し、子どもを通わせる親からはそんな反応が寄せられているという。
東京都内で学習塾を営んでいた村上陽一さん(51)は2005年にUターンした長野県茅野市で「学び舎プラナス」を始めた。
ここは、放課後に子どもたちが勉強にやってくるまでの間、学校に行っていない子どもたちの居場所にもなっている。4年前に妻朱夏さん(46)が代表を務めるフリーススクール「グリュック」が併設されたからだ。
大学院で発達臨床心理学を学び、福祉施設で勤務した経験があったという朱夏さん。不登校の子を持つ友人から「安心して外に出られる場所がないんだよね」と言われたことがあった。何げなく「うち空いてるし、出てきたら」と答えたのが、フリースクールを開くきっかけになった。「プラナス」はラテン語で「平らな、平等な」、グリュックにはドイツ語で「幸せ」という意味があるという。
内申書を気にする子どもたちが年々増える
2人は子どもたちと向き合う…
- 【視点】
内申書(正式には「調査書」との名称が基本)の問題とは、生徒の一挙手一投足が授業等の評価に反映されて、それが進学という自分の人生に影響を与えてしまう点です。その結果、生徒は、学校内にいるときはつねに教員に好まれるような態度を表出せねばなりませ