センバツ切符届くのは? 近畿7枠目は激しい争い 36校27日決定

山口裕起
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 第95回記念選抜高校野球大会(3月18日開幕、阪神甲子園球場=日本高校野球連盟毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の出場校を決める選考委員会が27日、大阪市毎日新聞大阪本社で開かれる。

 記念大会のため例年より4校多い計36校が出場する。

 内訳は一般選考32、21世紀枠3、神宮大会枠1。東北、関東、東海、四国で1枠ずつ増え、神宮大会枠は大阪桐蔭の優勝により近畿が獲得した。

 昨年は、2枠の東海で準優勝校が漏れ、4強の学校が選出される「逆転現象」が起き、物議を醸した。

 これを受け、今大会では「試合結果、内容をもとに評価する。その割合は同程度とし、総合的に判断する」「複数校の評価が並んだ場合、できるだけ多くの都道府県から出場できるよう地域性も考慮する」などとする選考ガイドラインが作成された。

 重要な参考材料となる昨秋の地区大会の戦いぶりなどから出場有力校を探る。(丸数字は出場枠)

 【北海道①】

 道大会7試合を計5失点と堅い守りで優勝したクラーク国際で満場一致だろう。初出場した昨春に続き、2大会連続出場となる。

 【東北③】

 記念大会のため1枠増。昨夏の全国選手権優勝を経験したメンバーが多く残り、東北大会を制した仙台育英(宮城)は当確。

 その仙台育英を県大会決勝で破り、東北大会準優勝の東北も12年ぶりの選抜が確実だ。

 残り1枠は4強の能代松陽(秋田)と聖光学院(福島)の一騎打ちと見られるが、準決勝で仙台育英に1―2で逆転負けした能代松陽がやや優位か。

 【関東⑤・東京①、両地区から①】

 1枠増。関東王者の山梨学院、準優勝の専大松戸(千葉)、4強の健大高崎(群馬)と慶応(神奈川)、東京都大会を制した東海大菅生の5校は、順当に選ばれるだろう。

 関東5枠目は、準々決勝で専大松戸に3―4で惜敗した作新学院(栃木)の評価が高い。

 両地区から選ばれる7枠目は、神奈川1位の横浜が投打に充実するが、地域性を考慮して都大会準優勝の二松学舎大付が優勢とみる。

 【北信越②】

 福井勢2校が独占しそうだ。北陸は県3位から北陸王者となり、神宮大会4強まで駆け上がった。34年ぶりの選抜はほぼ確実だ。

 決勝で、北陸に延長十三回タイブレークの末に1―2で競り負けた敦賀気比も選手層が厚い。

 【東海③】

 1枠増。優勝の東邦(愛知)と準優勝の常葉大菊川(静岡)は順当に選ばれそう。

 3枠目は4強の大垣日大(岐阜)と加藤学園(静岡)の争いか。ともに接戦を勝ち上がるなど実力も伯仲するが、地域性から大垣日大が優位か。

 【近畿⑦】

 4強は確実。優勝の大阪桐蔭は最速148キロ左腕の絶対的エース前田悠伍を中心に神宮大会を2連覇した。選抜でも連覇を狙う。

 準優勝の報徳学園(兵庫)は投打のバランスがよく、智弁和歌山は強打で、龍谷大平安(京都)は堅守で準決勝まで勝ち進んだ。

 神宮大会枠を含めた残り3枠を8強の4校で争うことになる。

 準々決勝で大阪桐蔭の前田から4点を奪った彦根総合(滋賀)、総合力の高い履正社(大阪)は選出が濃厚だ。

 もう1枠は社(やしろ)(兵庫)と高田商(奈良)で意見が割れそうだ。社は1回戦で奈良1位の天理に13―7で打ち勝ち、高田商は同じく1回戦で京都1位の乙訓(おとくに)に1―0で競り勝った。

 【中国②・四国③、両地区から①】

 中国王者の広陵(広島)、準優勝の光(山口)は当確だろう。

 広陵は神宮大会決勝で高校通算49号本塁打を放った真鍋慧(けいた)を中心に投打ともに充実する。

 光は山口3位からの躍進で初の選抜をほぼ手中に収めた。

 四国は1枠増えた。8年ぶりに四国を制した英明(香川)、準優勝の高松商(香川)には異論は出ないだろう。

 3枠目は4強の高知、鳴門(徳島)の争いか。準決勝で英明に2―4で敗れた高知がやや優勢か。

 両地区から選ばれる6枠目は、地域性を考慮すれば中国から選ばれる可能性が高い。

 準決勝で広陵を相手に6―8と競り合った鳥取城北が最有力とみる。

 【九州④】

 順当に上位4校が選ばれそうだ。

 優勝の沖縄尚学のエース東恩納(ひがしおんな)蒼(あおい)は高い制球力を誇り、全4試合に登板した。

 準優勝の長崎日大は強力打線が売りで、海星は接戦に強い。長崎から2校が出場となれば大会初。

 大分商も朗報を待つ。

 【21世紀枠③】 北信越・東海以東の東日本と近畿以西の西日本から1校ずつを選び、残る7校から地域を問わずに1校を選ぶ。

 候補校は、北海道 稚内大谷▽東北 由利(秋田)▽関東・東京 石橋(栃木)▽北信越 氷見(ひみ)(富山)▽東海 木本(きのもと)(三重)▽近畿 小野(兵庫)▽中国 神辺旭(かんなべあさひ)(広島)▽四国 城東(徳島)▽九州 高鍋(宮崎)(山口裕起)

各地区の秋季大会と明治神宮大会の成績

(丸数字は出場枠。近畿は大阪桐蔭の優勝により神宮大会枠を獲得し6から7に増えた。「関東・東京」、「中国・四国」からはそれぞれ、さらに1校を選ぶ)

【北海道①】優勝=クラーク国際 準優勝=北海 4強=立命館慶祥、函館大柏稜

【東北③】優勝=仙台育英(宮城) 準優勝=東北(宮城) 4強=能代松陽(秋田)、聖光学院(福島)

【関東⑤】優勝=山梨学院 準優勝=専大松戸(千葉) 4強=健大高崎(群馬)、慶応(神奈川) 8強=作新学院(栃木)、昌平、山村学園(いずれも埼玉)、横浜(神奈川)

【東京①】優勝=東海大菅生 準優勝=二松学舎大付 4強=日大三、帝京

【北信越②】優勝=北陸(福井) 準優勝=敦賀気比(福井) 4強=松商学園(長野)、福井商 

【東海③】優勝=東邦(愛知) 準優勝=常葉大菊川(静岡) 4強=加藤学園(静岡)、大垣日大(岐阜)

【近畿⑦】優勝=大阪桐蔭 準優勝=報徳学園(兵庫) 4強=龍谷大平安(京都)、智弁和歌山 8強=彦根総合(滋賀)、履正社(大阪)、社(兵庫)、高田商(奈良) 

【中国②】優勝=広陵(広島) 準優勝=光(山口) 4強=鳥取城北、高川学園(山口)

【四国③】優勝=英明(香川) 準優勝=高松商(香川) 4強=鳴門(徳島)、高知

【九州④】優勝=沖縄尚学 準優勝=長崎日大 4強=海星(長崎)、大分商

明治神宮大会】優勝=大阪桐蔭 準優勝=広陵 4強=仙台育英、北陸

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