半世紀ぶりに「生徒会長」が復活 アイス販売きっかけに始まった改革

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編集委員・石橋英昭
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 宮城県仙台三高(仙台市宮城野区)で今年春、約半世紀ぶりに生徒会長が復活する。生徒会活動の現状に危機感を持ち、自分たちで議論を1年余り重ねて、長い歴史のある制度を動かした。「改革」のきっかけになったのは、売店でのアイス販売問題だった。

 仙台三高の生徒会は、とてもユニークな仕組みを持っていた。

 1963年の開校後しばらくは、他校同様、生徒会長がいた。だが学生運動の影響もあり、「生徒会長制では権限が集中しがちだ」「より民主的な学校づくりを」との声が生徒の間から起きる。71年、「四権分立制」に改められたのだ。

 どんな制度か。

 各クラス代表からなる議決機関の代議員会と、有志が集まる執行部、監査委員会、会計。この4者がそれぞれ独立を保ち、兼任はしない。執行部は代議員会からの提案の実施を担うが、自分たちで発案できない。代議員会議長が生徒会長に近い存在だが、逆に執行権限はない。

 この四権分立制に疑問を持ったのが、1年生から代議員を務め、おととし9月に議長になった後藤咲佳(えみか)さん(現3年)だ。

きっかけはアイス販売問題

 1年生のとき、代議員会でこんな提案が出た。

 「高校の売店でアイスを販売してほしい」

 生徒総会で認められ、実現に…

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