今季一番の寒波で阿蘇は「氷の世界」

城戸康秀
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 この冬一番の寒波に見舞われ、25日未明から早朝にかけて熊本県内にある気象庁の観測地点18カ所のうち16カ所で今季最低の気温を記録した。甲佐町(零下9度)と天草市牛深(零下3・4度)は観測史上最低だった。

 厳しい冷え込みで阿蘇地方は「氷の世界」となった。阿蘇山上の草千里ケ浜ではふたつある池が完全に凍結。直径数十メートルの天然のリンクが生まれた。登山道路が凍結するなどしていたため、訪れる観光客は少なかったが、駐車場から雪に覆われた池にたどりついた女性たちは、滑って転んで大きな歓声を上げていた。

 阿蘇市一の宮町にある「古閑(こが)の滝」では、落差100メートルの雌滝が凍結。岩肌には無数のつららがつながった。氷瀑(ひょうばく)の最上部では、水滴が飛び散る形で放射状に氷が広がる「氷の花」も見られた。この時期、地元住民でつくる「古閑の滝観光組合」が毎週土曜日午後6時から滝をライトアップしている。「25日は期待できそうだ」という。

 南阿蘇村道の駅「あそ望の郷くぎの」では、大小ふたつの水車が氷をまとった。はねた水滴が水車の側面に厚く張りつき、朝日を浴びて輝いていた。(城戸康秀)

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