客も雪も減ってコロナ直撃 岐阜県高山市が市営スキー場を統廃合
岐阜県高山市久々野町にある市営スキー場が最後のシーズンを迎えている。隣接する別の市営スキー場と統合されるためで、60年の歴史に幕を下ろす。一方で新スキー場の開業まで1年を切るなか、難しい課題が山積しており、「視界良好」とはいかないようだ。
昨年12月24日、最後のシーズンの初日となった「ひだ舟山スノーリゾートアルコピア」は、新雪がゲレンデ一面を覆っていた。市から運営を委託されている有限会社「ひだ桃源郷」の中谷芳政代表は、「町のシンボルだっただけに寂しい限りだが、多くのお客さんに楽しんでもらうために力を尽くしたい」と話した。
アルコピアは1963年、旧久々野町時代にオープンした。5年後、隣接する旧宮村に「モンデウス飛騨位山スノーパーク」もできた。いずれも名古屋市と飛騨地域を結ぶ国道41号沿いにあり、愛知県方面からの利用客でにぎわった。
しかし、東海北陸道の開通以降、アクセスの良くなった郡上市内のスキー場に客が流れた。高山市内のスキー場の利用者は95年度に66万人いたが、2020年度は約8割減の12万人に減った。
レジャーの多様化でスキー人口は右肩さがりで、降雪量も減少傾向。それにコロナ禍が拍車をかけた。両施設の運営費の赤字を市が穴埋めする年が続き、補てんが計1億円を超えたシーズンもある。
車で15分ほどの距離にあり…
- 【視点】
スキー場はリフトやゴンドラなど巨大な設備投資が必要な装置産業。しかも開業期間は1年のうちのわずか4カ月ほど。最近はデジタル対応、ゲレンデ食の充実、外国人客誘致などソフト面も強化しないと、顧客をひきつけられません。東北で勤務している際にあち