無断キャンセル年100件以上…四ツ谷駅そばの運動施設、区が対策へ

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石平道典
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 東京都千代田区の屋外施設、外濠(そとぼり)公園総合グラウンド(同区五番町)で、利用時間までに連絡をしないまま使わない「無断キャンセル」が年間100件以上相次いでいる。一方で、利用申し込みは殺到しており、区は無断キャンセルした人に利用制限をかけられるよう、関係条例の改正案を区議会に提出する方針だ。

 同グラウンドには野球場(現在は工事で休場中)とテニスコート(2面)がある。利用の申し込みはインターネット上の予約システムで受け付けている。応募多数の場合、抽選で利用できる人が決まる。

 四ツ谷駅から徒歩約5分という立地の良さもあり、学生や社会人、少年野球チームなどからの申し込みは多い。月ごとの抽選倍率は10倍を超えるほどの人気で、土日は予約でほぼ埋まっている状態だ。

 一方で無断キャンセルも相次ぐ。区によると、2019年度は122件(野球場33件、テニスコート89件)、20年度は102件(46件、56件)、21年度は162件(66件、96件)あった。利用日直前のキャンセルも多いという。

「なぜ使われていないの?」寄せられる疑問の声

 料金は平日の日中の場合、野球場が2時間4400円、テニスコートが同3千円。現地の管理事務所で直接支払う。屋外施設のため、利用日になって降雨や降雪で利用できないケースもあるからだ。予約時に料金を支払う必要がないことが、無断キャンセルにつながる一因になっているのではと、区はみている。

 現地はJR中央線などからよく見える。予約が難しい一方、空いている状態を見た人などから、「なぜ使われていないのか」といった疑問の声が区に寄せられることもあるという。恩田浩行・区文化スポーツ担当部長は「本当に利用したい人に使ってもらうようにしないといけない」と話す。

 現在、野球場は人工芝にするための工事中。これまでは天然芝を養生するため、冬季休場期間(1~3月)を設けていたが、4月以降は年間を通した利用が可能になる。また人工芝になった後、野球場はサッカーやフットサルのコートとしても使えるようになるため、利用申し込みはさらに増えることが予想される。

 このため区は施設を有効に活用するため、無断キャンセルと利用の4日前以降にキャンセルをした人に対し、利用制限をかけられるよう、区都市公園条例を改正する方針だ。無断キャンセルをした人は1回につき3カ月間、申し込みや予約ができないようにする。条例に利用制限についての規定を盛り込み、無断キャンセルを防ぎたい考えだ。

利用登録取り消しのペナルティーも

 東京都内では、同様の制度を…

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