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目張りの棺で最期のお別れ「本当におやじなのか」、救急医の悔恨

有料記事新型コロナウイルス

島脇健史
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 火葬場に駆けつけると、棺(ひつぎ)は白い粘着テープで目張りがされていた。中には、密閉された袋におさめられた父がいるという。

 顔を見るための棺の小窓も閉じられ、一目会うことさえ許されない。やむを得ず、棺の外から手を合わせた。

 1時間ほどして、骨になった父と再会した。「これが本当におやじなのか」。実感が全くわかなかった。みとってあげられなかった、何もできなかったという罪悪感だけが募った。昨年12月中旬のことだ。

 父は生前、新型コロナウイルス陽性と診断されていた。

 父を亡くしたのは京都府の60代の男性救急医。これまで数え切れないほどの人の死と向き合ってきた。

新型コロナで亡くなった人の遺体の取り扱いには、厳しい制限がありました。医師でもある男性は、この制限を巡って今も苦悩しています。その理由は――。

 「おつらかったでしょうけど…

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