少年ジャンプから始まった アカデミー賞国際長編映画賞までの道のり

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構成・羽賀和紀
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 映画ドライブ・マイ・カー」で米アカデミー賞など数々の国際的な賞に輝いた濱口竜介監督(44)が、映画との出会いや独特の演出論について、ファンの前で語った。高知県立美術館高知市)で1月22日に開かれた自身の作品の特別上映会のトークショーに登壇した。

 はまぐち・りゅうすけ 1978年、神奈川県生まれ。東京大で美学芸術を学び、映画監督に。2015年に発表した「ハッピーアワー」では、演技経験のない女性4人を主演に起用。その4人はロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した。芥川賞作家・柴崎友香の同名小説を映画化した「寝ても覚めても」などで人気を博し、21年には「ドライブ・マイ・カー」で米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した。

 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が大好きですね。いまだに、あんなに面白い映画があるだろうかと思っているぐらい好きです。

 当時、「週刊少年ジャンプ」で、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」特集を大々的にやっていた。それが、めちゃめちゃ面白くて。本当に映画っておもしろいんだなって思った最初です。

 中学時代からポツポツ映画館に通うようになりました。高校の時に、岩井俊二さんとかコーエン兄弟とかの作品をミニシアターで見るようになっていく。でも高校の最後のほうになるまで、ハリウッド映画とか、ちょっとおしゃれな映画とか、それぐらいしか見てないなかった。

 高校時代は帰宅部です。午後4時とか5時に帰って、ドラマの再放送をよく見ていました。お金もそんなに無いので、映画はレンタルビデオを借りて。映画館は月に何度か行ければいい方でした。

 大学では映画研究会という映画制作サークルに入りました。でも大学に入ると、やたら映画を見ている人がいた。世の中にはこんなにたくさん映画があるのに、それを見倒そうとしている人たちがいるのが、カルチャーショックでした。

 これはいかん、ということで…

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