生徒が考えた練習に驚かされた 吹奏楽指導者語るアンサンブルの魅力
聞き手・横川結香
全日本アンサンブルコンテスト(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は、指揮者なしの少人数編成でそれぞれの個性を競い合います。羽村市立羽村第一中学校吹奏楽部顧問の玉寄勝治さんは、生徒たちが考えた練習法に驚かされたそうです。アンサンブルコンならではの魅力について聞きました。(聞き手・横川結香)
たまよせ・かつはる 1971年、沖縄県出身。中学でトロンボーンを始め、国立音楽大学を卒業。2008年から東京都羽村市立羽村第一中学校吹奏楽部顧問。同市小中一貫教育の学習コーディネーターも務める。
アンサンブルコンテストの本番当日、私は「熱冷まし」役として臨んでいます。私が指揮を振る座奏とは違い、アンコンに出場するのは生徒だけ。私はただ見守るのみです。緊張したり、興奮しすぎたりする子どもたちを落ち着かせる鎮静剤のつもりでそばに控えています。
アンサンブルの舞台では、音色や目線、ジェスチャーなど色んな方法で情報を伝え、受け取る「キャッチボール」がたくさん行き交っています。このやり取りの感度は、お互いの立場を理解することで磨かれるようです。
ある年のことです。
出場メンバーの練習をのぞきに行き、驚きました。
トランペットの位置にテュー…