法案のランクづけ 特別扱いの「ジュウヨウコウハンギアン」って?
政府は通常国会に60本の法案を提出する予定だ。国権の最高機関で採決される法案は等しく重いはずだが、実は「ランク」づけされている。与野党の合意で最も重要だと位置づけられるのが「重要広範議案」と呼ばれる。国会法にも衆参両院の規則にも出てこない、永田町独特の用語だ。
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政府提出法案の扱いは、審議入りの際に担当閣僚が法案趣旨を述べる「お経読み」を本会議場でするか、委員会の説明だけにとどめるかに二分される。前者は閣僚が演壇に立つため「登壇もの」と呼ばれ、より重要度が高い。そのうち、首相が本会議で質疑に答えたり、委員会に出席したりと「特別扱い」を受ける法案が、重要広範議案だ。
通常国会は四つまで、臨時国会は二つまで指定できるのが慣例だ。昨年の通常国会では経済安全保障推進法などが対象となった。それ以外の登壇ものは、通常国会では20本程度とされている。
不思議な呼び方、なぜ?
今国会ではまず新年度当初予算案が審議されるため、「ランク」が決まるのは「どんなに早くても2月に入ってから」(国会関係者)の見通し。防衛費増額のための財源確保法案や、2年前に廃案になった入管難民法改正案などが重要広範議案になると見込まれる。
重要広範議案は熟議が求めら…