卒業文集に書いた「中体連」の覚悟 エスパルス巣立つ鈴木唯人の原点

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照屋健
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 海外移籍を決意したのは、昨年。カタールまで行き、現地で目に焼き付けたワールドカップ(W杯)がきっかけだった。

 「現地に行って、若い選手が活躍している姿を見て、自分もその環境に行って挑戦することが必要だと思った」

 「フランスは個の肉弾戦みたいなリーグ。その中に入って、もっともっと球際のところや、体を当てるフィジカルのところを強化したい」

 フランス1部・ストラスブールへの移籍が決まった清水エスパルスの鈴木唯人はきっぱりと言った。

 世界に出て、活躍する。

 2024年パリ・オリンピック(五輪)世代の中心選手でもある21歳は、そんな目標を常に口にしてきた。

 清水の平岡宏章・元監督は、「向上心とか、上を目指す貪欲(どんよく)な姿勢がある」と話していた。

 プロ1年目の鹿児島キャンプ。千葉・市立船橋高から入団した鈴木を含め、若手の5人だけがトップチームの練習に参加できず、グラウンドの隅で別メニューを与えられたことがあった。

 「僕の何が悪いんですか」

 「何をしたらいいんですか」

 18歳だった鈴木は、当時コーチだった平岡さんに、そんな質問をぶつけたという。

 「『うるせえ、いいからやれ…

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