選抜大会への出場有力の東海大菅生、部員を蹴るなどした監督を解任
甲子園春夏計8回出場の強豪・東海大菅生(東京都あきる野市)野球部で若林弘泰監督(56)による部員への体罰が発覚した問題で、同校の峰岸英仁校長は26日、「信頼を裏切ることになり、とても残念で申し訳ない」とする文書を出した。
同校はまた、若林監督と部長を21日付で解任し、新監督に同部出身で2016年からコーチを務める上田崇氏(29)が就任したと発表した。若林氏は日本学生野球協会から20日、謹慎4カ月の処分を受けていた。
同校によると、若林監督は昨年8月の練習試合で1年生部員を蹴り、厳しく叱責(しっせき)した。学校は11月に部員と保護者に謝罪。その後、部員は退学した。
監督と部長は校長に報告したが、同校は校長の判断で都高野連へ報告しなかった。都高野連には、保護者が12月に通報したため伝わった。学校内での正式な処分は2月の懲戒委員会で決定する予定という。
峰岸校長は「校長としての判断の誤りによって報告義務を怠り、報告遅れの不祥事を招いた件について、校長として大変申し訳なく思っている」とした。
同校は今月18、23日に全校生徒に向けて説明したといい、野球部員については、心のケアを支援していくという。再発防止対策として、暴力についてのアンケートを年3回実施する▽教職員の研修を年2回行う▽相談窓口を設け、匿名による情報を受ける――などの計画を明らかにした。
峰岸校長は「二度とこのようなことのないように校長が先頭となって具体的な防止策を実施していくとともに、決して暴力を起こさない、暴力を許さない環境に整えていく」とコメントした。
東海大菅生は昨秋の都大会で優勝し、今春の第95回記念選抜大会への出場が有力視されている。27日の選考委員会で出場校が決まる。
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。