正解探しではない「しごとへの道」描く 絵本作家・鈴木のりたけさん

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田中瞳子
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 仕事を描くことは、人生を描くことだ。絵本作家・鈴木のりたけさんが1月に刊行した「しごとへの道1」(ブロンズ新社)は、パン職人、新幹線運転士、研究者の3人がそれぞれの仕事を選び、いまに至るまでの半生をコマ割りのコミック仕立てで描いている。

職業ににじみ出る生き方

 鈴木さんは昨年、「大ピンチずかん」(小学館)で、「MOE絵本屋さん大賞2022」(白泉社主催、朝日新聞東京本社メディアビジネス局協力)をはじめ数々の賞を受賞。いま最も勢いに乗る絵本作家の一人だ。代表作の絵本「しごとば」シリーズでは、仕事の現場を取材し、緻密(ちみつ)な絵で表現している。シリーズはこれまでに6巻、約50職種を取り上げてきた。「取材をしてきてわかったのは、とうふ職人にもパン職人にも、典型などないということでした。職業にはその人個人の生き方が色濃くにじみ出る。今作ではそれを描きたかった」と鈴木さんは話す。

 登場する人たちには、3~4時間かけて話を聞き、写真を見たり、幼少期を過ごした土地に足を運んだりして物語にしていく。「みなさん『私の人生なんておもしろくないですよ』と言うんです。でも聞いていると、ターニングポイントやドラマが必ずある」

■「最短ルート」より大切なこ…

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