横須賀の石炭火力発電所建設、環境アセスめぐる訴訟で住民ら敗訴

村上友里
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 神奈川県横須賀市で計画中の石炭火力発電所の建設計画をめぐり、簡略化した環境影響評価(アセスメント)の手続きに基づいて国が計画を認める通知を出したのは違法だとして、周辺の住民らが通知の取り消しを求めた訴訟の判決が27日、東京地裁(品田幸男裁判長)であった。判決は原告の訴えを退けた。

 事業者は、東京電力フュエル&パワーと中部電力が出資する「JERA(ジェラ)」。

 訴状によると、予定地には元々石油などを燃料とする火力発電所があった。2017年にはすべてが廃止されたが、JERAは石炭火力発電所2基(出力計130万キロワット)の新設を計画し、23年度以降の稼働を目指している。

周辺住民ら「環境配慮されてない」

 環境アセス法で、一定規模以上の火力発電所の新設には環境アセスが必要だが、既存の発電所をリプレース(更新)し、温室効果ガス大気汚染物質の排出量が減る場合などは、調査の簡略化が認められている。

 今回の計画にあたって、JERAは18年、簡略化した環境アセスの結果を国に提出。国は同年、計画を認める通知を出した。

 訴状で原告側は、14年以降は既存の発電所が停止していることから「設備更新ではない」と指摘。簡略化した環境アセスではPM2・5(微小粒子状物質)などの大気汚染物質や二酸化炭素の排出が検討されておらず、「環境保全に適正な配慮がされていない」として、計画を認めた国の通知は違法だと主張していた。

大阪地裁は国の審査「適法」

 一方、国側は原告らについて、「健康や生活環境に著しい被害を直接的に受けるおそれはない」として、そもそも訴えを起こす資格がないと主張。環境アセスそのものも適切で「瑕疵(かし)はない」と反論していた。

 石炭火力発電所の建設をめぐっては、神戸製鋼所神戸市で進める石炭火力発電所の増設について、大阪地裁が21年、計画を認めた国の審査を適法として、取り消しを求めた原告の訴えを退けた。大阪高裁も22年に支持し、原告側が上告している。(村上友里)

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