「常に少し非常事態」 小泉悠さんがロシア人の妻から教わった感覚

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小林伸行
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 ロシアによるウクライナ侵攻勃発は、多くの日本人にとって、唐突な、理解のできない現象だった。発生から1年を経て、戦禍は、なおおさまる気配がみえない。連日さまざまなメディアに招かれ、状況の分析、解説を求められる軍事アナリストの小泉悠さんを訪ねたところ、ロシアを理解するための手がかりになりそうな「言葉」を教えてもらえた。

     ◆

 「ロシアは常に少し非常事態です」――。

 2010年ごろ、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所の客員研究員として、モスクワに滞在していたとき、後に結婚することになるエレーナさんから、知り合って間もない時期に言われた言葉だという。モスクワ大の大学院で学び、流暢(りゅうちょう)な日本語を話すエレーナさんだが、このときは日本語で言われたかロシア語だったか、小泉さんの記憶は、はっきりしない。ただ不思議に印象に残っていて、今もロシアの人々の気持ちを考えるとき、いつも頭の中にあるという。

彼らに、完全な平和という感覚ない

 「私たち日本人は有事と平時…

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