林芳正外相(62)は1月21、22の両日、地元・山口にいた。土日を利用して、宇部、萩、美祢、山陽小野田の4市で開かれた新年会に出席するためだった。
21日、山陽小野田市のホテル。支援者らが続々と集まった。新年会はメディアには非公開だった。
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参加者によると、あいさつに立った林氏は、米ワシントンで11日にあった日米安全保障協議委員会(2プラス2)などを報告。「強固な日米同盟を確認した」と成果をアピールした。各テーブルを回って言葉を交わし、記念撮影にも応じた。
「悲願の、待ちに待った林衆院議員が誕生した」。支援者からはこんな喜びの声もあがった。
林氏は参院議員だった。衆院解散という大権を持つ首相は、衆院議員がなるべきだとの暗黙のルールが永田町にはある。首相を目指すため、林氏は参院から衆院にくら替えすべきだ。地元にこんな意見がくすぶっていた。
2021年7月、林氏は決断した。
「この国のかじ取りをしてい…
- 【視点】
「ポスト岸田」の一人とも言われる林芳正外相の現在地を描いた記事です。「長州政治を継ぐのは林氏しかいない」。地元ではそういう声もあるようです。 実際、群雄割拠の長州制覇は着々のようです。2年前の衆院選で河村元官房長官の選挙区を奪い取り、
- 【視点】
林氏の政策面での有能ぶりは永田町で前から知られていますが、縁の下の力持ちというか、器用貧乏というか、何でもできすぎるためにいろんな勉強会や議員連盟の事務局長をしたり、閣僚がスキャンダルで辞めるとピンチヒッターで起用されたり。「政界の消防車(