参院「特定枠」制度の不備、自民議員の辞職で露呈 党内で見直し論も

有料記事自民

白見はる菜
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 一票の格差是正のため、選挙区の合区が行われたのに伴って導入された参院比例区「特定枠」の問題が早くもあらわになった。合区で議席がなくなった県の救済策として自民党が野党の反対を押し切り導入したが、特定枠で当選した自民議員が今月辞職。合区地域とは関係ない人が繰り上げ当選した。自民が「党利党略」と批判された制度で自ら不備をさらし、見直しを求める声が上がり始めた。

 特定枠は、参院比例区のなかで得票数に関係なく、優先的に処遇される制度。「鳥取と島根」「徳島と高知」が合区で一つの選挙区になったのに伴い、候補者を出せなくなった県を地盤とする人を自民は特定枠で処遇してきた。

合区「徳島・高知」とは関係ない札幌の人が…

 特定枠創設に向けて2018年に法改正した際は、野党側が「党利党略」「ご都合主義」と自民を批判したが押し切った。導入後の19年と22年に参院選で主要政党で特定枠を使ったのは自民とれいわ新選組だけだ。れいわは重度障害者が当選した。

 19年に特定枠で当選した自…

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    米重克洋
    (JX通信社 代表取締役)
    2023年1月28日14時22分 投稿
    【視点】

    制度上、特定枠は得票に関わらず当選順位を固定するだけのもので、それを合区で外れた候補の救済に使うというのは政党の内規ないし内部の理屈の問題に過ぎない。実際、他党では地域に関係ない理屈で特定枠を使っている。 徳島であれ島根であれ、自民党

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2023年1月28日11時44分 投稿
    【視点】

    もともと、特定枠を設けて県代表を安定的に送り込むという発想そのものの筋が悪い。特定枠はあくまでも、政党側が順位をつけて当選する見込みがある者をある程度決められる拘束名簿だということに過ぎず、本来意図したことと関係ない候補が当選するのが問題だ