異例のチケット有料化 「バブル」の不安を乗り越え、示した可能性

有料記事

藤野隆晃
[PR]

 東京パラリンピックで日本男子が過去最高の銀メダルをつかんだ車いすバスケットボール。そのクラブ日本一を決める天皇杯で初めてチケットが有料化された。パラスポーツの国内大会でも異例の挑戦だ。

 1月21日、東京体育館東京都渋谷区)で行われた決勝。東京パラで活躍した鳥海連志を中心とするパラ神奈川SCがNO EXCUSE(東京都)を下して優勝した。

 コロナ禍の影響で約3年半ぶりの開催だった。決勝は3131人が観戦した。この日の開場前には入場口前に並ぶ人々の姿もあった。

 決勝後、鳥海は「これだけたくさんの人の前でプレーする喜びを感じられた」と話した。

 今大会で有料にしたのは決勝があった21日のチケット。前売り券はアリーナ席は3千円、スタンド席は大人1千円、中学生以下の子どもが500円。当日券はいずれも500円増しだった。

 パラスポーツの国内大会でも珍しい試み。日本車いすバスケットボール連盟の矢田成昭副会長は「助成金頼み、(施設などの)無償提供に頼り切るだけではいけない」と有料に踏み切った理由を語った。

 不安がなかったわけではない。「一時的にブームになっても、すぐに関心が下がった健常者の競技もある。『パラバブル』がはじけるという懸念はあった」

 有料化を決めた後、それを肌で感じる出来事は実際に起きた。

 昨年、23歳以下の男子代表…

この記事は有料記事です。残り576文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(春トクキャンペーン中)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料