東京都内に住む女性(55)の長女(17)に異変があったのは5年前。公立中に入学した頃のことだった。
進学した学校は地域でも有名な厳しい教育方針で、入学直後から宿題がたくさん出た。各教科の課題のほかに、自主学習が課されていた。
毎日ノート1ページ分、自分の気になったものについて調べてまとめたり、苦手な単語や漢字を書いたりする。隙間は許されず、ぎっしり埋めなければならない。
長女は午前0時過ぎまで宿題を終えられず、次第に朝起きられなくなった。「要領があまり良い方ではないのもあるが、真面目で『終わらせなければ学校に行けない』と思い込んでいた。
「早く寝るように言っても聞かず、深夜、机に突っ伏して寝ていることもありました」と女性は話す。
最初は夫とともに「起きなさい」と叱っていたが、おなかや頭が痛いと言って学校を休むことが増えた。受診すると、睡眠障害や起立性調節障害、思春期の体の変化から来る不調などを指摘された。
運動部に所属していた。時々頑張って起きて学校へ行っても、「部活に出るなら宿題を終わらせてから」と練習の横で宿題をやらされた。
3年生の頃になると、処方さ…
- 【視点】
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