「出世払い」から「授業料後払い」に 新たな学生支援制度、内容は?

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山本知佳
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 文部科学省の検討会議は昨年12月、二つの報告書を提出した。一つは、大学院生を対象とした授業料後払い制度の新設について。もう一つは、給付型奨学金と授業料減免からなる修学支援制度の対象拡大についてだ。二つの報告書や議論の評価や課題を、識者に聞いた。(山本知佳)

授業料後払い制度とは

 大学院修士課程の学生を対象にした授業料後払い制度は、在学中の授業料の一部を国が肩代わりし、卒業後に年収に応じて納付するというものだ。

 日本学生支援機構(JASSO)が2019年度に行った抽出調査によると、同機構の貸与型奨学金を返還中の約4千人のうち、およそ3分の2が、年収400万円以下だった。所得に応じて柔軟に返還できる制度の必要性が長年、指摘されていた。また、20年度に始まった修学支援制度の対象に大学院が入っていなかったことや、将来の奨学金返還を懸念する学生に安心して進学を促す狙いもある。

2024年度から始まる予定の二つの新しい制度について、いま決まっていることは何か、まとめました。記事後半には、奨学金制度に詳しい専門家へのインタビューもあります。

 本格的な納付が始まる目安の…

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