岸田文雄首相が「異次元の少子化対策」を打ち出したことを受け、各政党が少子化対策を競い合っている。社会保障政策では介護や年金の後手に回っていたが、今国会の一大争点に躍り出た。児童手当を拡充する方向は重なるが、拡大の対象や力を入れる分野では異なる点も多く、百家争鳴の様相だ。
衆院本会議場で25日午後、どよめきがあがった。
「児童手当については、すべての子どもの育ちを支えるという観点から、所得制限を撤廃するべきだ」
自民党の茂木敏充幹事長が突如こう打ち出したからだ。直前に立憲民主党の泉健太代表が「(首相が掲げた)『子ども予算倍増』は立憲民主党が何年も前から提案していた」と、児童手当の所得制限撤廃などを求めたばかりだった。
「(自民が立憲の)お株を奪…
- 【視点】
通常国会はにわかに、「子育て支援策」をめぐる与野党の競い合いの様相を呈してきました。児童手当は昨年、高所得世帯を対象にした月5千円の特例給付に所得制限がかけられたばかりですが、「所得制限撤廃」が与党幹部からも飛び出しました。 子育て支
- 【視点】
選挙をにらみ、投票率が高い高齢者向けの政策を優先する。そんな政治は「シルバー民主主義」とも称されます。「子どもたちの遊び場をつくると訴えるよりも、実際にはゲートボール場を整備しますと言ったほうが選挙には有利だから」。取材現場で、そんな声を