児童手当の拡充「自民がお株奪った」 少子化対策、各政党が競い合い

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西村圭史 藤崎麻里
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 岸田文雄首相が「異次元の少子化対策」を打ち出したことを受け、各政党が少子化対策を競い合っている。社会保障政策では介護や年金の後手に回っていたが、今国会の一大争点に躍り出た。児童手当を拡充する方向は重なるが、拡大の対象や力を入れる分野では異なる点も多く、百家争鳴の様相だ。

 衆院本会議場で25日午後、どよめきがあがった。

 「児童手当については、すべての子どもの育ちを支えるという観点から、所得制限を撤廃するべきだ」

 自民党茂木敏充幹事長が突如こう打ち出したからだ。直前に立憲民主党泉健太代表が「(首相が掲げた)『子ども予算倍増』は立憲民主党が何年も前から提案していた」と、児童手当の所得制限撤廃などを求めたばかりだった。

 「(自民が立憲の)お株を奪…

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    笹川翔平
    (朝日新聞政治部記者=野党、国会)
    2023年1月27日19時27分 投稿
    【視点】

    通常国会はにわかに、「子育て支援策」をめぐる与野党の競い合いの様相を呈してきました。児童手当は昨年、高所得世帯を対象にした月5千円の特例給付に所得制限がかけられたばかりですが、「所得制限撤廃」が与党幹部からも飛び出しました。 子育て支

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    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター次長)
    2023年1月27日20時35分 投稿
    【視点】

     選挙をにらみ、投票率が高い高齢者向けの政策を優先する。そんな政治は「シルバー民主主義」とも称されます。「子どもたちの遊び場をつくると訴えるよりも、実際にはゲートボール場を整備しますと言ったほうが選挙には有利だから」。取材現場で、そんな声を