昨夏に敗れて引退した3年生に恩返しを 10年ぶり選抜の常葉大菊川
第95回記念選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の出場36校を決める選考委員会が27日、大阪市内で開かれ、常葉大菊川(静岡)が10年ぶり5回目の出場を決めた。
昨秋の東海大会は準優勝
室内練習場で出場校発表のライブ映像を見ながら待っていた常葉大菊川の選手たちは午後4時ごろ、校名を呼ばれて大きくどよめいた。
同校は、昨秋の東海大会準決勝では加藤学園との県勢対決を制した。決勝で東邦(愛知)に敗れたものの、「大会で見つけた課題に向き合おう」と練習を積んできた。
出場が決まり、主将の平出奏翔選手(2年)は「3年生にまず感謝を伝えたい」と話した。昨夏の静岡大会では優勝候補の一角に挙げられながら、大会期間中に寮内で新型コロナウイルスの感染が拡大。エースや主将を欠き、4回戦で敗退した。
「自分たちの分までがんばって甲子園に行ってくれ」。3年生のそんな言葉を胸に、練習に取り組んできたという。「引退後も練習を手伝ってくれた3年生への恩返しはこれから。意識を高く持って練習したい」と意気込んだ。
石岡諒哉監督(33)は「全体的に底上げしないと出るだけで終わってしまう」と気を引き締めた。同校出身の石岡監督は、捕手として2007年の選抜大会に出場し、優勝した経験を持つ。「甲子園は東海大会や地区大会とは景色が違う。しっかり準備をしたい」と話した。
駆けつけた長谷川寛彦市長は「市民は勝つと信じている。勇気と希望を与えてほしい」と激励した。(魚住あかり)
2020年に出場できなかった加藤学園、補欠校に
2020年の選抜大会で出場校に選ばれながら、新型コロナの感染拡大による大会中止で出場がかなわなかった加藤学園。今回も推薦校の一つとして吉報を待ったが、出場3枠には入れず、補欠校となった。
主将の太田侑希選手(2年)は「結果は変わらないので、前に進んで夏に向けて全力でやっていく。県内のどこのチームにも負けない強いチームを作っていきたい」と話した。(菅尾保)
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