高校野球の常識を変える 5年ぶり選抜の慶応、頂点めざす自信と決意

原晟也
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 第95回記念選抜高校野球大会日本高校野球連盟毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の出場36校を決める選考委員会が27日、大阪市内で開かれ、慶応(神奈川)が5年ぶり10回目の出場を決めた。

強化したメンタルトレーニング

 午後3時半ごろ、数十人の報道陣が詰めかけた学校内のホール。学生服姿の部員らは大型スクリーンに映し出される、出場校発表の配信映像をじっと見つめていた。「慶応義塾高校」。校名が読み上げられると、互いの顔を見合い、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 発表前、報道陣の一部が大きく喜ぶリアクションをリクエストしていた。ただ、部員らはクールな表情を貫いた。

 チームは、昨夏の県大会で、準々決勝敗退。新チームからメンタルトレーニングに力を入れてきた。劣勢でも平常心でいられるのが特長だ。大村昊澄(そらと)主将(2年)は「自分たちの実力をここ一番で発揮できる。勝負強さがチームの強みだ」と話す。

 その言葉の通り、昨秋の県大会では昨夏の県大会で敗れた強豪の東海大相模日大藤沢を僅差(きんさ)で破って準優勝。続く関東大会では5打点をあげた福井直睦選手(2年)を中心に、3試合で計32安打15得点を記録し、強力な打線が光った。

慶応の野球を甲子園で表現

 投手陣は、エースの松井喜一投手(2年)と小宅雅己投手(1年)を中心に、序盤に積み重ねた得点を継投で守り切る。関東大会では、1イニングに複数の失点をしたのは1度のみ。攻守ともに粘り強く、勝利をたぐり寄せてきた。

 チームのスローガンは「高校野球の常識を変える」。森林貴彦監督の指示で動くのではなく、自分たちで考え、試行錯誤をすることが目標だ。練習や試合では、一人ひとりが頭を使ってプレーしてきた。大村主将は「慶応の野球を甲子園の舞台で表現し、夢や希望を与えられるようなプレーをしたい。目標は日本一」と意気込んだ。

 森林監督は「全国大会という舞台で成長できる機会を得られた喜びと、日本一には、まだまだ実力と自信が足りていないという危機感がある。選抜までの2カ月で、さらに成長したい」と話した。(原晟也)

慶応の昨秋の戦績

 ◆県大会

2回戦  ○10―0横須賀学院(5回コールド)

3回戦  ○14―1上矢部(6回コールド)

4回戦  ○7―0日大(8回コールド)

準々決勝 ○7―4東海大相模

準決勝  ○7―6日大藤沢

決勝   ●3―6横浜

 ◆関東大会

1回戦  ○5―3常磐大(茨城)

準々決勝 ○7―3昌平(埼玉)

準決勝  ●3―5専大松戸(千葉・延長10回)

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