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「妊娠が遠回りになってないか」混合診療受ければ自費、公的保険の壁

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滝沢卓
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 保険証を使って受けられるようになった不妊治療。患者が支払うのは治療費の3割で、以前より負担は軽くなったが、受けたい治療によっては全額自費となってしまうことも。関東在住の患者の女性(37)は「治療の選択肢がかえって選びにくくなった」と話す。

 「本当は受けたい治療を制限しているんです」

 この女性は葛藤している現状を打ち明けた。

 約3年前に不妊治療を始めた。

 きっかけは以前経験した流産だった。胎児を体の外へ出す搔爬(そうは)手術で「医療ミス」があり、その影響で傷ついた両卵管を切除せざるをえなかった。妊娠するには、卵巣から卵子を取り出して体外で精子と受精させる「体外受精」が必要となった。

 これまでに、卵子を取り出す手術を18回経験。ただ、うまく受精できない時も多かった。通院で仕事を急に休むことに職場の理解が得られないと思い、治療開始から1年後に退職し、いまは治療に専念する。

 受精卵はこれまで7回移植した。しかし、いずれも子宮で着床しなかったり、以前のように初期の流産となってしまったりした。

 「今回はいけるかも」と期待しては、「やっぱりだめだった」の繰り返し。「順調ですね」という医師の言葉は聞いたことがない。

「自己負担3割→全額自費」となるルール

 体外受精の末に流産したとき…

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