昨季J1王者の、新たな守備の要になるのでは――。
見る者にそう感じさせる、安定感だった。
宮崎市でキャンプをする横浜F・マリノスが25日、J2ツエーゲン金沢との練習試合に臨んだ。
光ったのが、23歳のDF角田涼太朗だ。
金沢の前線には、身長188センチ、体重84キロの屈強なブラジル人FWがいた。だが、角田は空中戦で競り勝ち、裏への抜け出しも先に体を入れて阻んだ。相手FWは自由にプレーできず、次第にいらだっていった。
筑波大在学中の2021年途中にプロ契約を結んだ角田。特別指定選手だった20年と、21年のリーグ戦は1試合ずつの出場にとどまったが、昨季は18試合に出場。少しずつ経験を積んできた。
プロ3季目の今季、心境に変化があったという。
「去年は人(同僚)に動かされる場面が多かった。今年は自分が人を動かして、守りやすくできれば良い。リーダーシップのところは、もっと取り組まないといけない」
優勝した昨季のメンバーから、リーグMVPを獲得したDF岩田智輝(セルティック)が抜けた。角田は「抜けた選手のポジションだけでなく、全体的に取り組むことが大切」と言う。
最終ラインを高く保ち、前線から激しくプレッシャーをかける。マリノスのサッカーは魅力的な一方、逆襲を浴びるリスクと隣り合わせでもある。そんなプレースタイルは、角田の体に染みついてもいる。最後尾から人を動かし、守備を作り上げる存在としての自負を抱きつつある。
さらなる先、も見据えた心境の変化という。
「先のキャリアを意識した時…
- 【視点】
角田選手の「海外移籍観」に、時代の移ろいを感じずにはいられません。海外でプレーする自分をイメージして、出てきた言葉は「人を使って守ることも必要になってくる。個で対処できなくなった時のことも考えている」。 決してトガった物言いではないけ