アマゾン奥地の先住民族が危機に 大統領は「集団殺害だ」と非難

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サンパウロ=軽部理人
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 南米ブラジルのアマゾン奥地に暮らす先住民族ヤノマミが深刻な健康被害に直面している。政府によると、アマゾンで活動する違法な金採掘業者の環境破壊が主な原因で、過去4年間で子ども570人が死亡した。ルラ政権は公衆衛生上の「非常事態宣言」を出し、アマゾンの開発拡大を進めたボルソナーロ前大統領の責任を追及する構えだ。

 「私が目にしたのは、人道危機以上のジェノサイド(集団殺害)。これは、ヤノマミに対する計画的な犯罪だ」。ルラ大統領は22日、ヤノマミが多く住む北西部ロライマ州を訪れた後、自身のツイッターに書き込んだ。

ボルソナーロ前政権で増えた、違法な採掘業者

 ヤノマミはブラジル最大の先住民族で、ベネズエラとの国境に近いロライマ州やアマゾナス州のアマゾン地域に住む。約9万6千平方キロメートルの土地に3万人が暮らすとされ、ベネズエラ側にも集落が点在している。主な生計手段は農業や狩猟、漁業などだ。

 そんなヤノマミが近年、危機にある。医療へのアクセスが不足していることなどから、マラリアなどの予防可能な病気の罹患(りかん)が増え、5歳以下の子どもの死亡率は3割上昇した。3千人以上の子どもが栄養失調に陥っており、下痢や肺炎を併発するケースが多いという。

 最大の原因は、違法な金採掘…

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