「自治体として存続させるためには」財政破綻の夕張市、直面した現実
2006年に財政破綻(はたん)が明らかになった北海道夕張市。古ぼけた市役所の周辺では、いまにも崩れそうな空き家が解体されていた。
かつて炭鉱で栄えた街は07年、国によって「財政再建団体」に指定された。
当然ながら、昭和30年代に11万人を超えた住民は激減。市の人口はいま、7千人を切る。
「ここまで極端に人口が減ると、過剰なインフラが財政の重荷になってしまう。その中でどうやって自治体を維持していくかは、本当に難しかった」
そう振り返るのは、夕張市の元幹部だ。
かつて炭鉱労働者とその家族が住んだ炭鉱住宅は、その多くが無人となる。各地に造られた公園は、廃虚のようになったところもあった。そうした公園をなくそうとすると、一部の市民から猛反発を受けたという。
元幹部は言う。
「自治体を存続させるためには、何を優先して残し、そのために何を捨てなければいけないか。それはいまの夕張にも続いている課題だし、いずれ全国多くの自治体が直面する」
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