あるJリーガーの「もう一つの顔」 プロになれず、切り開いた道
大滝哲彰
来季からのJ3参入を決めたFC大阪のMF宮城和也選手(25)には、Jリーガー以外に「もう一つの顔」がある。
経営者としての顔だ。
午前はサッカーの練習、午後は大学生のキャリア支援に力を注ぐ。
その活動の原点は、自身がぶち当たった壁だ。
多くのJリーガーを輩出するサッカーの名門・興国高校(大阪市)で主将を務め、全国高校サッカー選手権大会大阪府予選で準優勝。スポーツ推薦で中央大学へ進み、順風満帆なサッカー人生だった。
「プロになれる」
そう確信していた大学4年の12月。同級生たちがプロチームからの内定を勝ち取るなか、オファーはなかった。
自分の中での「サッカーをやめる条件」を考えてみた。
お金のためにサッカーはやめない
大きなけがをする。もしくは、お金がなくなる――。
お金のためにサッカーはやめたくない。それなら、お金を稼ぐ方法を探せばいい。会社員では、サッカーを続けながら、思うような収入を得られないだろう。「経営者」という道が思い浮かんだ。
大学卒業後、大阪府枚方市の…