選挙戦は終盤へ 閣僚や政党幹部も応援で名古屋入り 愛知県知事選

佐藤瑞季 山下寛久 小林圭
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 愛知県知事選は2月5日の投開票日まで、1週間を切った。選挙戦最後の日曜日となった29日、6人の候補者は名古屋市内の街頭などで、それぞれ支持を訴えた。選挙戦も後半に入り、閣僚や政党幹部も候補者の応援に訪れている。

【連載】くらしの現場 愛知知事選

人口減、インフラ老朽化、消える救急医、足りない教員……。ジブリパーク開業のにぎわいの陰で、約750万人の暮らしの足元に目を向けると、日本で共通する課題が見えてきました。愛知の「現場」を歩いて考えます。

 元通訳の新顔・尾形慶子氏(65)=共産党推薦=は同日午後、名古屋駅前で支持者らを前に演説した。同党の小池晃書記局長も応援に駆けつけた。

 尾形氏は、「大型プロジェクトにお金を無駄遣いするのではなく、子どもが健やかに育つ愛知にしたい」と主張。リニア中央新幹線計画やジブリパークなどに充てられた予算を、保育士や正規の教職員の増員に使うと訴えた。また、全国トップレベルの温室効果ガス排出量の削減を掲げ、断熱性能が高い「光熱費ゼロ」住宅の普及を促進、太陽光パネルの設置を進めるなどとした。

 小池氏は、脱炭素産業による経済の活性化や農林水産業の振興、医療や福祉の充実などを訴え、「(愛知の)豊かな財政力を、大型開発ではなく、くらしを支えるために使わせる、尾形さんを愛知県のリーダーに押し上げよう」と呼びかけた。

 現職の大村秀章氏(62)=自民党県連、立憲民主党公明党国民民主党推薦=は同日午後、同市・栄でマイクを握った。「経済を強くして、若者、女性、高齢者、障害者の雇用を作る」などと主張。新たなビジネスモデルを創出するスタートアップを支援し、「時価10億円を超える日本企業をこの愛知からいっぱい作っていく」と訴えた。その後、近くを練り歩き、記念撮影に応じた。

 28日には、衆院当選同期の河野太郎デジタル担当相や自民、公明両党の国会議員と、名古屋駅前などで演説した。菅政権下で新型コロナウイルスのワクチン担当相を務めた河野氏は、大村氏が大規模接種会場の早期立ち上げに尽力したなどとして、「これまでも愛知をしっかりと前に進めてきた」と評価。「次の4年も愛知と日本の経済を引っ張っていただきたい」と語った。

 知事選の投票率向上を訴えている医療コンサルタントの新顔・安江朗氏(55)は29日、豊橋駅前や名古屋駅前で、通行人に個人演説会の日程が書かれたビラを手渡した。演説はしなかった。県民税減税や中小企業支援、教育改革などを公約に掲げている。

 前春日井市議の新顔・末永啓氏(37)は、名古屋市内で活動した。同駅前では、PCR検査の廃止を訴えるなど、新型コロナ対応について持論を展開。「コロナ関連予算を、公共投資に積極的に組み替えていく」と話し、学生ローンの返済免除も掲げた。

 経営コンサルタントの新顔・山下俊輔氏(60)も同市内を回った。同駅前では、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示を批判。実行委会長だった大村氏について「即座に知事を辞めるべきだ」と主張した。

 薬剤師の新顔・上原俊介氏(46)は、三河地方を演説して回った。岡崎市東岡崎駅前では、「あいちトリエンナーレ」やコロナ対策の初期対応をめぐり、大村氏を批判した。「景気・雇用回復、子育て支援、支出改革で愛知は元気になる」と訴えた。(佐藤瑞季、山下寛久、小林圭)

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