ロシアはウクライナ侵攻後、ミサイルやドローン(無人航空機)を使った空からの攻撃で、民間人の殺傷を続けてきた。爆撃の危険にさらされる学校で、子どもたちや教師はどんな1年を過ごしてきたのか。ウクライナでは、日本の小学生から高校生にあたる生徒たちが一つの学校で学ぶ。ミサイル攻撃の被害が続くキーウで、ベテラン教員の1人に聞いた。
キーウ、歴史教師ビクトリア・ザバブリナさん(54)
キーウ市内の私立と公立の二つの学校で、歴史を教えています。両方の学校ともクラスは15人。空襲警報が鳴ると生徒たちと荷物をまとめ、地下のシェルターに下ります。シェルターといっても、専用のものではありません。年少組、中等組といった学年グループごとに仕切った地下室です。
シェルターでも授業を続けますが、近くにミサイル攻撃があったときは不可能です。生徒たちが怖がり、精神的にも不安定になっているから。そんなときはゲームをしたり、ただ話をしたりして過ごしています。
学校は侵攻が始まった昨年2月24日から20日ほどたってから再開したのですが、最初は生徒たちに戦争の話をするのが怖かった。生徒も3分の1に減り、親が戦場で死んだ子もいる。戦争の話は、とても慎重に扱わなければならない問題です。
でも、生徒たちはだんだん…

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