実は寒さに弱かった? 「雪国」石川での大規模断水、背景と誤算
記録的な寒波の影響で、石川県内の一部で断水が続いている。26日夜から7市町の計約1万1千世帯で水が出なくなった。「雪国」石川で、なぜこれほどの大規模な断水が起きたのか。その原因について、自治体や専門家に聞くと、寒さ対策への弱点がうかがえた。
石川県環境政策課の吉田雅英課長は「水道管の凍結、破裂による漏水で、配水池の水位が下がったため」と説明する。自治体が管理する「上流」側の配水管ではなく、「下流」側の家屋の止水栓やメーター付近の水道管で凍結・破裂が多発していたという。
断水はかほく市(最大世帯数約5400)、輪島市(同3391)、七尾市(同988)、羽咋市(同843)、志賀町(同360)、宝達志水町(同185)、白山市(同49)の7市町であり、主に能登半島に集中した。その要因を吉田課長は二つ挙げた。
一つは気温の低下だ。水道管は気温が零下4度以下になると、凍結の恐れが大きくなる。市内世帯の約4割が断水したかほく市では、24~26日の最低気温が、それぞれ零下5度、同5・2度、同4・5度と3日連続で零下4度を下回った(気象庁データ)。
二つ目は過疎化に伴う空き家率の高さだ。2018年の住宅・土地統計調査によると、断水が起きた7市町のうち、4市町(データのない宝達志水町を除く)の空き家率は全国平均の13・6%を上回る。高齢化率も30%を超えるところが多い。
吉田課長は「水道管が古かったり、地上にむき出しになっていたりしていても、対策が十分に取れなかったのではないか」と推測する。
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