個人間で売買するフリマアプリのメルカリが2月1日、創業から10年となった。山田進太郎CEO(最高経営責任者)が朝日新聞の取材に応じ、メルカリの「現在地」を語った。サービスを展開する日本と米国以外の第三国への海外進出の意欲を明らかにした。
――メルカリのサービスが日本に与えた影響をどのように考えていますか。
個人と個人がモノを売り買いする面白さを実現するのに役立った。
人と人との物々交換は文明のきっかけとなる人間の根源的な営みだった。しかし経済の発展とともに分業化が進み、作る人と売る人が分離していった歴史がある。自動車を作るなら工場で大量生産した方が効率的だし、販売するのも会社が管理するようになった。
それ自体は全く悪いことではない。ただ、個人が何かを売って人の役に立ってうれしくなる感覚を、メルカリがもう一度再現できたと思っている。ネットとスマホの普及で、個人ができることの範囲が広がったことが大きい。創業10周年を機に、2月からは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」というグループの新たなミッションを掲げる。「人」の可能性を広げることがメルカリの存在意義だ。
――フリマアプリの登場が日本の中古市場を拡大しましたが、一方でお買い得さから新品ではなく中古品を選ぶ消費者も増えました。新品市場と中古市場の企業は、共に発展できるのでしょうか。
新品の一次流通なしには中古…