日韓の最大の懸案になっている徴用工問題をめぐり、日本政府は、歴代内閣が示してきた植民地支配と侵略に対する「反省とおわび」について、現在も継承していると表明する方向で検討に入った。複数の日本政府関係者が明らかにした。韓国側が求める「誠意ある呼応」の一環で、解決案を見極め、表明する内容や形式、時期を判断する。
外務省の船越健裕アジア大洋州局長と韓国外交省の徐旻廷(ソミンジョン)アジア太平洋局長は30日、ソウルで協議した。日本外務省によると、徴用工問題を含め、率直に意見交換し、外交当局間の意思疎通を継続していくことで改めて一致した。
徴用工問題をめぐっては韓国政府は12日、韓国の財団が企業からの寄付をもとに原告への賠償分を肩代わりする仕組みを「解決策」の有力案として公表した。韓国で差し押さえられている日本企業の資産を売却して、元徴用工らへの賠償にあてる「現金化」を避けるためだ。
だが、原告側は日本側の謝罪や賠償が明確に盛り込まれていないとして、「日本政府や日本の被告企業を免責する内容だ」「屈辱的だ」などと強く反発している。複数の韓国メディアが「解決策」公表後に実施した世論調査でも否定的な意見が6割ほどを占め、国内での支持は広がっていない。
このため、韓国政府は日本側…
- 【視点】
日韓の「手打ち」のメニューはそろっているようにみえる。徴用工の問題については、韓国政府が責任をもって手当てをし、日本政府が謝罪含めた過去の声明等について今も有効だとおおやけにすることで支援し、いったん解決をみたあと、経済安保にかこつけて実
- 【視点】
日韓ともに足元の不安定さを背景に、ギリギリの神経戦が続く。どこで落ち着くか、最後はトップの政治判断に委ねられるが、少し気になるのは実際の政府間協議とかけ離れた「期待先行」の記事が、とりわけ韓国側発で目立つことだ。 韓国政府が徴用工問題