超難解な大熱戦、AI評価値はまるで乱気流 芝野が十段挑戦権を獲得
囲碁七大タイトル戦の一つ、十段戦挑戦者決定戦が30日、芝野虎丸名人と井山裕太本因坊の間で打たれ、芝野名人が逆転の白番3目半勝ちを収め、許家元十段への挑戦権を獲得した。井山は準決勝で一力遼棋聖との激戦を制し、この棋戦4期ぶりの番勝負出場をめざしたが、最後に力尽きた。
二転三転の大熱戦だった。序盤は井山が、中盤は芝野がリードしたが、双方決定打を与えず、微細な形勢のまま終盤に突入。芝野は井山の上辺の黒陣を大がかりに荒らそうと手をつけにいき、井山が強く抵抗。陣中深く打ち込んだ芝野の白の一団は生死をかけた大コウ争いとなった。
一局の命運をかけたコウ争いの間、AIの評価値は激しい乱気流のように上下にぶれ、一手ごとに双方の勝率が90%超→10%弱と激しくぶれた。双方秒読みのなか、コウに勝った得と、コウ代わりに相手に与えた代償の得失を瞬時にはじき出すのは不可能だ。最後に誤ったのは井山で、同時に芝野の勝利が決まった。
芝野は「終盤はずっと負けを…