ホテルの接客、VRで体験 専門学校が研修用の教材を開発
ホテルや旅館で働くことを目指す学生向けに、京都市の専門学校がVR(仮想現実)でホテルの接客を体験できる教材を作った。将来的には、ホテルの従業員研修などで活用できるようにしたいという。
調理師や観光人材向けの専門学校を市内で展開する「大和学園」(中京区)が製作した。新型コロナウイルスで、学生が集まって授業をすることが難しくなり、2020年から調理や製菓の指導用教材を作り始めた。現在は、職場のハラスメント対応など、約30本の教材がある。
ホテル従業員(ホテリエ)向けの教材は、コロナ後に観光需要が増え、宿泊施設の従業員教育の必要性が高まるとみて製作。レストランの予約受け付けやフロント業務、コンシェルジュとして様々なタイプの客への接客方法など、新たに7本の動画を作った。
24日には、府内のホテル9社や府観光連盟の関係者らが集まり、体験会が開かれた。参加者からは「自分ごととして学べる」「職場では従業員を集めた研修が難しい。これなら少人数で体験できる」など好評だった。一方で、導入に向けて教材が少ないなどの課題も指摘された。
同学園では、今年から専門学校生の授業で活用する予定だ。田中幹人副理事長は「見て終わりだけでなく、体験して話し合って学べることが強みだと思う。ぜひ多くの人に利用してほしい」と話した。(原田達矢)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。