瀬戸内で猫スケッチの旅へ 「猫のダヤン」作者の池田あきこさん

小沢邦男
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 架空の国で冒険を続ける猫「ダヤン」を描き続ける絵本作家の池田あきこさんが、瀬戸内の猫を描く旅を始めた。まずは猫が「社員」として働く岡山電気軌道(岡山市中区)を訪問。「猫のダヤン取材日記」のウェブ公開に向け、猫社員をモデルに筆を走らせた。

 岡山電気軌道をはじめ、両備グループには多彩な猫社員がいる。池田さんは27日、おかでんミュージアムの館長代理の三毛猫「SUNたまたま」と対面。優しく抱き上げて「きれいに描くよ」と笑顔をこぼすと、早速ノートを開いてデッサンを始めた。

 SUNたまたまは絵のモデル役は初めてという。右へ行ったり左へ行ったり、落ち着かない様子だった。池田さんは顔を近づけながら、慣れた様子で15分ほどで仕上げていた。

 「1匹1匹のよさを引き出さなきゃと思うと、猫を描くのは実は難しい」と池田さん。それでも青みがかった瞳など、チャームポイントを目いっぱい表現してりりしい姿に仕立てた。同館のもう1匹、見習い館員の「美宇(ミュー)」もモデルに1枚描いた。

 ダヤンは1983年に誕生。大きなつり目が特徴で、仲間の動物たちと妖精や魔女が住む世界で不思議な体験を続ける。

 池田さんはこれまでに絵本や小説、アニメなど100以上の作品を出している。制作のため、国内外を訪ねて猫を描き続けてきた。原画展も全国各地で開いており、岡山にはたびたび足を運んだという。

 今年はダヤンが誕生して40年の節目。今回の岡山訪問は、池田さんの新たな制作活動のための瀬戸内スケッチ紀行の第1弾だ。瀬戸内については「幸せそうな目をした猫が多かった」として足を運ぶことにした。

 これからも猫が多くすむ島などを訪れて描き続け、取材日記として2月22日以降、両備グループのネット上のショッピングサイト「たまルンMALL」で公開する予定にしている。

 池田さんは「いいスタートが切れた。瀬戸内の海に育まれた猫たちに会うのが今から楽しみです」と意気込んでいた。瀬戸内のどこかで、猫にやさしい目を向ける池田さんと出会えるかもしれない。(小沢邦男)

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