国際社会の対応は手詰まり ミャンマー国軍のクーデターから2年

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加藤あず佐 バンコク=翁長忠雄
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 ミャンマー国軍がクーデターで実権を握ってから2月1日で2年。市民への弾圧を続ける国軍に対し、国際社会は一致した対応を取れていない。欧米諸国による経済制裁に大きな効き目はなく、東南アジア諸国連合(ASEAN)が国軍側に暴力の停止などを求めた5項目の「合意」も履行されないままだ。

 欧米は国軍系企業などに経済制裁を科しているが、中国などとの取引には大きな影響を与えておらず、強硬姿勢を変えざるを得ないほどのダメージにはなっていない。制裁のしわ寄せは市民が受けているのが実情だ。

 クーデターから約3カ月後に開かれたASEAN首脳会議で、ミャンマーのミンアウンフライン国軍最高司令官はまがりなりにも5項目に合意した。だが、国軍は「治安悪化はテロリストのせいだ」と民主派に責任を押しつけるなどし、合意を実行していない。また、ASEANが民主派への死刑執行をしないよう求めたにもかかわらず、昨年7月に執行に踏み切った。

 昨年11月のASEAN首脳会議では、ミャンマーの参加資格を一時停止するとの案もあったが、まとまらなかった。タイはミャンマー代表を招いて非公式の外相会議を開いたが、参加したのは加盟10カ国のうち5カ国だけ。ミャンマーと国境を接するタイには、ミャンマーと緊張を高めるのは得策ではないとの思惑があるが、加盟国は一枚岩になれていない。

 昨年2月にロシアのウクライナ侵攻が始まり、国際社会のミャンマーへの関心が低下したことも国軍には都合がよかった。

 国連安全保障理事会がミャン…

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