司法の現場でも「カネとコネ」? 専門家が語るフィリピン事情

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聞き手・藤原学思
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 フィリピンを拠点とする特殊詐欺グループのメンバーだとして逮捕状が出ている4人が、フィリピンの入国管理施設に収容されています。警察はこの4人に、全国で相次いだ一連の強盗事件を指示した「ルフィ」を名乗る男が含まれているとみています。遠く離れた異国の収容先から、どうすれば強盗事件に関与できるのか。フィリピンの事情に詳しい専門家に聞きました。この専門家は「組織犯罪から安全を確保するため」として匿名で語っていますが、朝日新聞は身元を確認して取材しています。

 ――今回の事件をどのように受け止めていますか。

 日本では「収容所で携帯電話が使えるのか」と驚きをもって報じられていますが、フィリピンに詳しい人たちからすると、これは驚くべきことではありません。

 たとえば過去には、「収容所内から薬物や嗜好(しこう)品が押収された」「看守と一緒に外出した」という報道もありました。そのあたりの感覚はずいぶん違います。

 収容所内で具体的にどのようにしてそうした地位を築くのかはわかりませんが、考えられる可能性としては、職員とつながるか、あるいは収容者のボス的な存在とつながるかでしょう。

 ――フィリピンの司法制度についてお聞きします。日本では逮捕の要件が定められているほか、「逮捕から48時間以内に送検するかを決める」「送検から24時間以内に勾留するかを決める」といった厳格なルールがあるのですが、フィリピンの場合、容疑者はどのような手続きで身柄を拘束されるのでしょうか。

 フィリピンにもしっかりとし…

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