対馬の寺「正当な判決」 韓国の寺は上告へ 盗難仏像の所有権訴訟
鈴木拓也=大田 寺島笑花
10年前に長崎県対馬市の観音寺から盗み出され、韓国へ渡った仏像について、韓国の裁判所が観音寺の所有権を認めた。前住職の田中節孝(せっこう)さん(76)は「長い時間がかかったが、初めて司法が正当性を認めた。喜ばしい」と語った。
仏像は長崎県の指定有形文化財「観世音菩薩坐像(ぼさつざぞう)」。2012年に観音寺から盗み出した韓国人グループが韓国で検挙され、韓国政府側が保管している。
所有権をめぐる訴訟を起こしたのは観音寺ではなく、韓国中西部の忠清南道にある浮石(プソク)寺だ。仏像はこの寺から「14世紀に倭寇(わこう)によって略奪されたものだ」として所有権を主張し、韓国政府に引き渡しを求めた。一審判決では原告の主張が認められ、韓国政府が控訴していた。
「倭寇が略奪」の認定については…
1日に大田(テジョン)高裁…