1050億円黒字見込み→ゼロに 住友化学、通期予想を大幅下方修正
江口悟
住友化学は1日、2023年3月期の通期業績予想(国際会計基準)について、1050億円の黒字と見込んでいた純損益をゼロとするなど、大幅な下方修正を発表した。1株当たり12円としていた期末配当の予想も「未定」に変更した。岩田圭一社長はオンラインの記者会見で「大きな責任を感じている」とし、事業構造の改革を急ぐ考えを示した。
昨年11月1日公表の通期業績予想では、売上高を3兆1800億円と見込んでいたが、2兆9900億円に引き下げた。1150億円を見込んでいた営業利益もゼロに修正した。
同社の説明では、世界的な景気減速で11月の想定よりも事業環境が不透明になっていることに加え、円高の進行で為替差益が縮小したことが大きいという。
合成樹脂などの「エッセンシャルケミカルズ」やディスプレー関連材料の出荷が減少しているといい、業績改善に向けた構造改革の費用計上も減益要因となる。
岩田社長は「この事態を非常…