地域性、創作活動…公共劇場の役割 芸術監督がトークで探る
増田愛子
首都圏にある、国、県、区と設置主体の異なる公共劇場4館の芸術監督が昨年4月に始めた公開トークが、各劇場を巡回する形で回を重ねている。
世田谷パブリックシアターの芸術監督に就任した白井晃が呼びかけ、新国立劇場の小川絵梨子、彩の国さいたま芸術劇場の近藤良平、KAAT神奈川芸術劇場の長塚圭史が名を連ねる企画。第2回と第3回は、4館以外の公共劇場で、同じように運営や創作に携わるポストに就くアーティストを迎え、それぞれの劇場が持つ役割や展望を巡り、率直な意見が交わされた。
昨年9月開催の第2回は「地域性」がテーマ。この日は、埼玉県の「富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ」芸術監督の白神ももこが招かれた。
人口約11万人のベッドタウンで「市民の顔が見えやすい」と白神。子どもが、芸術監督と自由に遊べる日を設けるなど、まず場に親しんでもらうプログラムがあることを紹介した。「若い時は、公共ホールで開かれるカラオケ大会に『なぜ?』と思った」。でも、コロナ禍で祭りも中止される中で「『ここなら思い切り歌って良い』と保障してあげられる、面白いと思える場所を提供する意義を感じます」。
一方、富士見市の約120倍…