「平和と民主主義を」 ミャンマー人男性、家族と連絡絶ち国軍に抗議

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平山亜理
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 ミャンマーでのクーデターから2年となる1日、東京都品川区のミャンマー大使館前などで抗議活動があった。祖国を思いながら日本で暮らすミャンマー人たちの先頭に立つのは、約30年前に初めて来日し、祖国の家族との連絡も我慢して活動する1人の男性だ。

 「民主化に向けた私たちの活動は絶対に勝つ。あきらめないぞ」

 在日ミャンマー人でつくる労働組合の会長のミンスイさん(62)は、同大使館の前でミャンマー語で声を張り上げた。集まった仲間は主催者発表で約600人。その後には千代田区の首相官邸前に移動し、抗議活動をした。

 普段は在日ミャンマー人の技能実習生や労働者の賃金未払い、解雇などの相談に乗りながら、ミャンマーの民主化運動に参加する。デモや募金活動で祖国の仲間を支援する。2022年には、これらの活動が評価され、「多田謡子反権力人権賞」を受賞した。

 首都だったヤンゴンで8人兄弟の5番目に生まれた。軍事政権下、学校では自由な質問が許されず、教科書以外の内容を聞くと、教師から黙るように言われた。我慢が出来ず、自分の力で生きていきたいと、17歳の時に家出。タクシー運転手などをして暮らした。1988年、民主化デモに参加。国軍側に銃で撃たれ、血まみれで逃げていく人々の姿を見た。

 「この国はだめだ」。軍事政…

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