熱海土石流被災の消防詰め所、解体開始

村野英一
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 2021年7月に土石流が発生した静岡県熱海市伊豆山で1日、被災した消防団第4分団詰め所の解体が始まった。消防団員は地域を守るために同僚と励ましあった施設との別れを惜しんだ。消防の機材などを置く仮の詰め所は国道135号沿いにあり、新詰め所の建設場所は未定という。

 詰め所は土石流の流路になった逢初川沿いにあり、3階建ての施設内に土砂が押し寄せた。現在はシートに覆われた建物の中に重機が搬入され、まず3階を解体する。18日までに全体の解体工事を終える予定。

 第4分団部長の松本早人さん(47)は「訓練後にみんなで消防の話をして盛り上がった場所なので、さみしく切ない。復興では消防活動のために、ライフラインの整備を急いでほしい。新詰め所は出動がしっかりできる拠点にしていただけると思う」と話した。

 熱海市伊豆山復興基本計画は土石流発生直後の第4分団の活動について「消防団員により避難誘導が行われ、不眠不休の捜索活動は地域住民の支えとなりました」と指摘。復興スケジュールで「消防施設・設備の機能回復」は24年度中に完了する予定だ。(村野英一)

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