米FRB、利上げ幅を連続縮小 現行の0.5%幅から0.25%幅に
米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は1日、利上げ幅を現行の0・5%幅から0・25%幅に引き下げると決めた。利上げ幅の縮小は前回12月会合に続いて2回連続だ。鈍化傾向にあるものの米国の物価高(インフレ)はなお高水準で、FRBは利上げ自体は当面続ける構えだ。
1月31日と2月1日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で決めた。政策金利の誘導目標は2007年以来の高水準となる4・5~4・75%に高まる。FRBは23年末の政策金利の水準を5・1%程度とみこんでおり、市場では、3月のFOMCでもう一度0・25%幅の利上げを決めたうえで、5月のFOMCで利上げを停止するとの見方が出ている。
FRBは約40年ぶりの激しいインフレを抑え込むために、昨年3月から利上げを開始。通常の2~3倍にあたる利上げ幅を続けてきたが、昨年12月の前回会合で、利上げ幅を0・75%幅から0・5%幅に初めて縮小。今回、これをさらに引き下げ、利上げ幅を「通常化」させた形だ。
背景には、米消費者物価指数(CPI)の伸び率が昨年12月まで6カ月連続で減速するなど、インフレに鈍化の兆しがみえ始めていることがある。一方で堅調だった米景気は今後減速が見込まれ、年内の景気後退入りを予想する声も強まっている。FRBとしては、利上げは維持しつつも、利上げ幅は絞ることで、経済への影響を慎重に見極めたい考えがある。(ワシントン=榊原謙)
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