「あの大江千里が」47歳からのリスキリング 捨てた甘えと成功体験
ポップスで数々のヒットを飛ばした大江千里さん(62)は47歳のとき、単身ニューヨークに渡り、大学でジャズを学び直した。
働く環境の変化に合わせ、新しいスキルを学び直す「リスキリング」という言葉を最近よく聞くが、50代前後にもなると「今さら何から始めればいいのか」と戸惑う人も多い。
日本で培ったキャリアをすべて捨て、なぜ学び直すことができたのか。米国でジャズピアニストとして活動する大江さんに聞いた。
――ずいぶん思い切ったことをしましたね。
「50歳まで頑張って、あとはもうちょっとやってからプチリタイア、というのが普通ですよね。でもキャリアにあぐらをかいて『このままいけば、何とかいくだろう』というのは嫌だったんです」
「たくさんモノを捨て、人とのつながりも断ち切って……。いろんなことを言われながらアメリカに渡り、喪失感も確かにありました。でも悲しいかな、人生はごっそり捨てないと、1個のキラキラしたものが手に入らない。心の中にあるぎゅうぎゅう詰めの自分の部屋に、新たにモノを買って机の上に置いたところで、それは輝かないんです」
――とはいっても、日本でのキャリアを考えると、多少の自信はあったのでは?
「『27年間のポップスの経験があるんだから、ぐいぐいトップに上り詰めるだろう――』という期待は、オリエンテーション初日に打ち砕かれました」
「先生に言われたのは、『血…
- 【視点】
「夢はかなえるだけでなく、踏み出していること自体がもう、夢の渦中だと思うんです」 記事にある大江さんのストーリーと共にこの言葉を読むと沁み入ります。 ですがその分、大江さんの人生を一言でまとめたこの記事の見出しに「リスキリング」
- 【視点】
■大江千里の人生をかけたチャレンジを「リスキリング」と矮小化するな 磯野真穂同志が満腔の怒りを叩きつけ、弾劾の矢をはなっているが・・・。大江の人生かけたチャレンジを「リスキリング」とは薄っぺらい。アーティストに対してのリスペクトが極めて