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娘がもらった骨髄、私があげた骨髄 「みんなに命つなぐチャンスを」

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後藤一也
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 2009年秋、中学1年だった彩華さんは微熱が続いていた。

 熱が上がったり下がったりを繰り返し、フラフラになっていた。

 母の堀ともこさん(55)が「学校を休んだら?」と聞いても、「休みたくない」と、無理をしながら通った。

 だが、クリニックを受診して検査したところ、「白血球の数が測りきれないぐらいある」と言われた。

 「いつから具合が悪かったの?」。そう尋ねると、彩華さんは「1カ月前から鼻血が何度か出て、体にあざもできていた」と答えた。

 通学中の電車内でたびたび具合が悪くなり、何度も途中の駅で降りていたと知った。

 40度の熱が出て、顔色も悪くなっていた。

 小児血液内科のある病院に入院したとき、病院の入り口にある車いすまで、彩華さんはおんぶで運ばれた。

 「もう死ぬんじゃないか」

 堀さんはそう思った。

白血病の女性と骨髄移植のドナーになった男性の話を描く映画「いちばん逢いたいひと」が2月24日から全国公開される。プロデューサーの堀ともこさんの娘彩華さんの実話をもとに、命がつながるまでの家族のリアルな心情を表現した。

 その翌日、堀さんは医師から、彩華さんの病名を告げられた。

 「急性リンパ性白血病」だった。

 「本人に伝えますか?」。堀さんは医師から尋ねられた。

 中学生で、病名を調べようと…

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