圧巻1000本! 手作りハム・ソーセージで挑むイタリア料理人

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榧場勇太
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 イタリア料理店の奥に並ぶガラス張りの熟成庫いっぱいに、網に包まれた豚肉がつり下げられた様子は圧巻だ。計1千本のハムやソーセージは全てひとりで仕込んだ。余分な水分が抜け、肉のうまみが凝縮するには長ければ数年かかる。熟成の時を重ねながらコース料理になる出番を待つ。

 さたけ・ともゆき 1975年、山形県大江町生まれ。東京都内の調理師学校を卒業後、フランス料理店などに勤務。2003年からイタリア各地で料理を学び、12年に山形市に「イル・コテキーノ」を開業。

 イタリア料理人だが、「ハム職人」とも呼ばれる。店の営業を終えた午前0時から明け方までが豚肉と向き合う時間だ。年間に使う量は約4トン。「これだけ豚肉を買うのはトンカツ屋くらいかな」

 28歳でイタリアに渡り、食堂から三つ星レストランまで様々な店で学んだ。ある日、町の食堂で、豚皮を使ったソーセージ「コテキーノ」に衝撃を受けた。安い皮でもソーセージに加工すると、とびきりおいしくなる。奥深さを知り、勤務の合間をぬって農家や肉屋を回って作り方を学んだ。

 イタリア北部では冬になると…

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